デヴィッド・フィンチャー監督で、最近注目の若手俳優ジェス・アイゼンバーグ主演の映画「ソーシャル・ネットワーク」
あの世界最大のSNSであるフェイスブックを立ち上げた最年少億万長者とも言われるマーク・ザッカーバーグの話。
もう、ザッカーバーグの天才っぷりがハーバードに通っていた時から発揮される。こういう天才であり、変態はふっと現れるのだ。大学時代に作り上げたフェイスブック。しかし、その立ち上げと成功は平坦な物ではなかった。アイディアを盗まれたとか、共同経営者であり友人との隔たりだったり、実際に行われた裁判を通してザッカーバーグが描かれて行く。
すげー面白い。今時のIT的な成功物語の舞台裏でもあるし、金がどーのこーのではなく、原点は女の子にモテるとか、クールかクールじゃないかみたいな素朴な原点も面白い部分。
もちろん見えて来てからは自分たちの立ち上げた「価値」にはこだわる部分があるけど、結局はそこではなくクールなのか、面白いか的な部分が大事だったりするように感じる。
 又、ビジネスを通して必然性とか、現代の抱える人の悩みのような文化を感じてしまうのだ。

かつて喜劇王チャップリンが 『近くで観ていると悲劇だが、遠くから見ると喜劇だ。』という言葉を思い出した。
チャップリンが子供時代に見た食肉処理場から逃げ出した羊を追いかける人々を見て回りにいる人間にはこっけいな光景なのだけど、あの羊は泣いている・・てきな発想。
つまり、なんだかんだでYoutubeのような映像で個人に取っては痛い出来事も動画を通してみる事で面白く思えてしまうような事。
人はつながりを求めているが現代では、なかなか良質な直接的な人間関係の構築が難しくなったいる。でも、人とのつながりで、何を他の人はしているのか、駄目な他の人を見て安心する自分、同じような境遇の人を見て共感を得たり、何かのつながりを求める。
故に、必然としてSNSのような人とのつながりを持てるサービスが必然として生まれてくる。
ツイッターにしても、ブログにしても、手軽に持てる人とのつながりなのだ。
さらに日本の文化というか、もたいねーなーと思う部分もあり、つまり、こういったサービスの受け入れとそれを投資するべき相手やマーケットの出し方が上手い。クオリティだけならmixiとかの方が楽しい部分や機能としては優れてたりすると思うのだけど、それでも、初物的な価値とそのマーケットへの売り方が上手いために世界的な企業へと成長できるすごさが日本には不足している。

話はそれたけど、そんな必然として生まれて来たSNSを世の中に生み出したモンスターを描いた作品です。
 
下手をすると重い作品になりがちですが、テンポも良く、又、学生時代という事もあり、ユーモアとセンスが素晴らしい。
そして脚本も見事ですね。
アカデミーの候補にもなっているこの作品。
映画館でみるべき作品でしょう。